伊藤ハム米久ホールディングス株式会社様

伊藤ハム米久ホールディングス株式会社(本社:東京都目黒区)様は、伊藤ハムと米久の経営統合により2016年に設立された、日本を代表する食肉・加工食品メーカーです。
グループとして、食肉およびハム・ソーセージをはじめとした加工食品の製造・販売を手がけ、「健やかで豊かな社会の実現に貢献する」という理念のもと、安全・安心で高品質な商品を提供されています。
今回は、茨城県取手市にあるグループ会社・伊藤ハム米久プラント株式会社 取手工場を訪問し、管理部の中川様、製造部の冨士様・沖田様・松尾様に、ピザ・ブリトー製造ラインにおけるAI外観検査システムの導入背景や導入効果、実際の運用についてお話を伺いました。

AI外観検査システム導入による
冷凍ピザ・ブリトーの
検査自動化と省人化

伊藤ハム米久ホールディングス株式会社様 冷凍ピザ・ブリトー向け AI外観検査装置一式

選定のポイント
■人の目や触感に頼っていた検査を置き換えられる、高い検査精度を確認できた点
■不良を学習させることで、将来的な不良や工程変化にも柔軟に対応できる点

導入結果
■人による検査のばらつきが抑えられ、検査品質の安定化を実現
■運用を重ねながら、省人化の効果を実感

導入の背景:人手不足と検査精度のばらつきが大きな課題

ー導入前はどのような点に課題を感じていましたか
導入前は、最終工程において検品者が目視と触感による検査を行っていました。しかし、人による検査である以上、判断にばらつきが生じやすく、品質を安定させることが課題となっていました。
また、人材不足が進む中で、今後も人に依存した検査体制を維持することは難しいと感じており、「検査精度の安定」と「省人化」の両立が、導入を検討する大きなきっかけとなりました。

導入の決め手:人の検査では難しい不良を検出できたこと

ーどのような点が導入の決め手になりましたか
最初に導入した工程は包装工程です。包装工程には、目視で容易に確認できる不良だけでなく、高い集中力を要する微細な不良も多く存在します。
1時間あたり約7,000個が流れるラインを人が常時監視することは負荷が高く、安定した検査の継続は難しい状況でした。

テスト導入の段階で、従来の検査装置では検出が難しかった不良をAIカメラが捉えられたこと、そして「人の目と手による検査を置き換えられる可能性」を実感できたことが、導入の決め手となりました。

AI外観検査を選択した理由:学習によって検査範囲を広げられる点を評価

ーこれまでは検査の自動化に取り組まれていましたか。また、他社との比較はしましたか
これまでもX線検査装置や金属検出器を導入し、異物検出などに活用してきました。一方で、シール不良や微細な外観不良といった項目については、さらなる精度向上の余地があると感じていました。
もともとはセンターシール不良の検出を主目的として検討を進めていましたが、AIを活用した外観検査であれば、トップシール部分のシール不良や噛み込みなどの不良についても、AI学習によって検査対象を拡張できる点に魅力を感じました。
将来的な不良傾向の変化や、お客様からのご要望にも柔軟に対応できる拡張性が、AI外観検査装置を選択した大きな理由です。

AIが特に効果を発揮している点:人の判断が難しい不良を安定して検出

ーAIの検査性能は、期待通りでしたか
導入後、運用と学習を重ねることでAIの検査精度は着実に向上しています。現在は不良を検出できており、何かあれば担当者が追加学習を行い、さらに精度向上を進めています。
人には経験に基づいた判断力という強みがありますが、検査結果をデータとして残すことは困難です。
一方、AIはすべての検査結果を画像として記録でき、不良の傾向や発生頻度を可視化できる点が大きなメリットだと感じています。

導入後の実感:検査性能は高く、運用を通じて効果を実感

ー導入から安定運用に至るまでのご感想をお聞かせください
検査能力そのものについて非常に高く評価しており、現場運用を通じて、省人化と品質向上を両立できるという確かな手応えを感じています。
初期段階では、より確実な立ち上げを目指して体制を手厚くしながら対応しましたが、試行と改善を重ねることで運用は最適化されました。
現在では、安定した検査が継続的に行える体制が整い、省人化の効果も表れています。今後は、立ち上げ時の負荷軽減やサポート体制がさらに充実することで、他ラインへの展開や新規導入もよりスムーズに進むと期待しています。

外観検査から内部・上流工程へ

ー今後、どのような検査を検討されていますか
今後は、パッケージ内部の状態確認として、チーズのトッピングの偏りや有無、正常品との比較による種類の違いなど、内部品質に踏み込んだ検査を検討しています。
また、包装工程以前のトッピング工程においても自動化が進んでおり、上流工程で不良を検知し、早い段階でリジェクトすることで、最終検品のさらなる効率化を図ることも視野に入れています。
カメラ増設やシステム拡張については、費用対効果を見極めながら、無理のない形で検査範囲を広げていきたいと考えています。

最後に:製造現場の声

導入初期には調整や工夫が必要な場面もありましたが、AI検査の性能そのものへの評価は一貫して高く、試行を重ねながら現場への定着を進めてきました。
現在では、人による検査に頼らずに運用できるラインも実現し、安定した検査体制が構築されています。「現場で実用的に活用できる段階に到達した」という実感があります。
今後は、これまでの導入実績を生かし、より多くのラインや工程への展開も視野に入れています。
企業URL:https://www.itoham-yonekyu-holdings.com/

インタビュアーより

本日は貴重なお話をありがとうございました。
現在は、装置の立ち上げやアフターフォローを専門に担う体制が整い、現地での立ち上げ品質やサポート力も向上しています。
今後も、より現場に近い立場で、導入後も継続的に寄り添ったサポートができる体制を強化していく考えです。

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